動画の「1テーマ1メッセージ」原則|盛り込みすぎないコツ
結論から言うと、縦型動画は1本で1つのことしか伝わりません。伝えたいことが3つあるなら、3本に分けたほうが結果的に全部伝わります。
「商品の良さを全部入れたのに反応がない」——これは動画がヘタなのではなく、詰め込みすぎて何も残らなかったというケースがほとんどです。
この記事では、伝えたいことを1つに絞る「1テーマ1メッセージ」の考え方と、すでにできてしまった盛り込みすぎ動画を直す手順を解説します。
「1テーマ1メッセージ」とは
1本の動画で扱うことを、次の2つに絞る考え方です。
| 要素 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 1テーマ | その動画が何の話か | 「この化粧ポーチの収納力」 |
| 1メッセージ | 見終わった人に残したい一言 | 「見た目より3倍入る」 |
テーマは「話題の範囲」、メッセージは「言い切りの一文」です。動画を見た人が友達に説明するとき、一文で言えるかどうかが判断基準になります。
「軽くて、収納力があって、色も5色あって、値段も安い」——これは4メッセージです。一文で言えないので、見た人の記憶には何も残りません。
なぜ盛り込むと逆に伝わらないのか
理由は3つあります。
1. 見る時間が短すぎる
縦型動画は15〜30秒が中心です。人が集中して受け取れる情報は、その長さだと多くて1つか2つ。3つ目からは、前の内容を押し出して消してしまいます。
2. 「ながら見」されている
スマホの短い動画は、寝る前や移動中に片手で見られます。テレビCMのように正面から集中して見てもらえる前提ではありません。1回で受け取れる量は、自分が思うよりずっと少ないと考えておくのが安全です。
3. 途中で話題が変わると離脱する
「収納力の話かと思ったら値段の話になった」という切り替わりは、見ている人にとっては話が終わった合図です。そこで指が動いて次の動画へ行きます。盛り込むほど、この切り替わりが増えます。
伝わる動画と伝わらない動画の違い
同じ商品でも、構成でこれだけ変わります。
| 盛り込み型(伝わらない) | 1テーマ1メッセージ型(伝わる) | |
|---|---|---|
| 冒頭 | 「この商品を紹介します」 | 「このポーチ、見た目の3倍入ります」 |
| 中盤 | 軽さ・色・値段・素材を順に説明 | 実際に物を詰めていく様子だけ |
| 終盤 | 「気になった方はぜひ」 | 「これ全部入って、まだ余裕あります」 |
| 見た人の感想 | 「なんかいろいろ言ってた」 | 「あのポーチ、めっちゃ入るらしい」 |
右側は情報量が少ないのに、記憶に残る量は多いのがポイントです。
盛り込みすぎを直す3ステップ
ステップ1:伝えたいことを全部書き出す
まず削らずに、紙やメモに全部書きます。5つでも8つでも構いません。頭の中だけで整理しようとすると、結局全部入れてしまいます。
ステップ2:「一番驚かれること」に丸をつける
書き出した中から、その商品を知らない人が一番「え、そうなの?」と思うものを1つだけ選びます。自分が推したいものではなく、相手が驚くものを選ぶのがコツです。
迷ったら、実際に人に商品を説明したときに反応が良かった一言を思い出してください。
ステップ3:丸をつけた1つ以外を、別の動画のネタ箱に移す
削るのではなく次の動画のストックにすると考えると、手が止まりません。8つ書き出したなら、8本分のネタがすでにあるということです。
これがそのままシリーズ化にもつながり、投稿を続けやすくなります。
「1メッセージ」に絞れているかのチェックリスト
書き上げた台本を、投稿前にこの5つで確認してください。
- 動画の内容を一文で言えるか
- その一文に「そして」「あと」が入っていないか
- 冒頭のテロップと最後のテロップが、同じことを言っているか
- 途中で話題が別のことに移っていないか
- 削った要素が、別の動画のネタとして残してあるか
3つ目の「冒頭と最後が同じことを言っているか」は特に有効です。冒頭が「収納力」で最後が「お得です」になっていたら、途中でテーマがずれています。
例外:複数の要素を入れていい場合
例外は「まとめ型」の動画です。「持っててよかったもの5選」のように、まとめること自体が1つのメッセージになっている場合は、5つ入れて問題ありません。
この場合のテーマは「5選」であり、メッセージは「この5つを揃えれば困らない」です。個々の商品説明は1つあたり3〜5秒に抑え、深掘りはしないのが原則になります。
逆にやってはいけないのは、まとめ型のつもりで1つ1つを丁寧に説明してしまうことです。それは5本分の内容を1本に押し込んだ状態で、いちばん伝わりません。
まとめ
1本の動画で伝わるのは1つだけ。伝えたいことが多いのは悪いことではなく、それは本数のストックがあるということ。
盛り込みすぎは、商品への愛情が強い人ほど起こります。削るのではなく「次の動画に回す」と考えれば、絞る作業は苦しくなくなります。
よくある質問
Q. 短い動画に1つしか入れないと、内容が薄くなりませんか? A. 薄くなるのではなく「深くなる」と考えてください。1つに絞ると、その1点を実演したり、驚く角度から見せたりする余裕が生まれます。要素が多い動画のほうが、1つあたりの説明は浅くなります。
Q. 商品の魅力が本当にたくさんある場合はどうすれば? A. 魅力の数だけ動画を作るのがおすすめです。同じ商品で切り口を変えた動画を出しても、見る人はそれぞれ別の動画として見ます。1つの魅力が刺さらなくても、別の魅力で刺さる可能性が広がります。
Q. どうしても2つ入れたいときは? A. 2つ目を「補足」の位置に置き、最後の2〜3秒だけ触れる形にしてください。同じ比重で2つ並べると、どちらも印象に残らなくなります。
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